サブバッテリーシステム設計の壁 許容電流
SBSを自作したいのに電気関係は苦手というひとは多いと思います。間違って配線したら危険だろうな、とか高い器材を壊すかもしれないとか心配されることと思います。これは皆さんに共通する考え方だと思います。このようなトラブルを起こさないために電気工事の知識が必要とされます。一方、Youtubeなどの動画でSBSを自作しているユーチューバーさんが沢山いますが彼らの内容を鵜呑みにすることなく自分自身で正誤を確認する必要があるでしょう。
さて、SBSについて考えていきましょう。

バッテリーというと乾電池を想像してしまいますが乾電池と車載用蓄電池は大変な違いがあることを認識しましょう。


例えば左端のアルカリ単1乾電池の容量はメーカによると1000mAx5.5時間とされています。一方リン酸鉄リチウムイオン電池の容量は100Ahrですから約18倍となっています。さらにアルカリ電池の電圧は1.5Vに対してリン酸鉄リチウムイオン電池は12.8Vですから8.5倍です。すなわち18×8.5で153倍の差があるわけです。一般的に乾電池も蓄電池もバッテリーと呼びますが内容はかなり違うことはお判りいただけたと思います。

次にサブバッテリーから白物家電を使用するには直流電源を交流電源に変更する装置が必要です。ここでインバータの出番です。

また同社では下記の説明もされています。

ということはインバーターの定格出力の1/3から1/7の消費電力の家電しか使用できないということでしょうか? もちろん安全サイドでお願いしますということは分かるのですがインバーターの定格出力はあっているのか不明瞭です。

定格出力2000Wのインバータを使用する場合にサブバッテリーからインバータに流れ込む電流はどれくらい必要であるか考えます。インバータでの変換ロス分を考慮せずに単純に考えると2000W÷12Vで約166Aが流れます。定格出力800Wのヘアドライヤーを家庭のコンセントに繋いだ時にヘアドライヤーのコードに流れる電流は約8Aですから166Aが如何に大きいか想像してください。よって、自分で構築したSBSにマッチするか否か必ず確認しましょう。
まとめ
- インバータの容量は使用する最大消費電力の1.4倍程度のものを選びましょう
- インバータを使用するときは定格要領の70%から80%で使用しましょう
- サブバッテリーからインバーターまでの電線の長さは2m未満としましょう
- インバータとサブバッテリー間のKIV電線のサイズは下記を参考にしてください
- 定格1000Wインバーターは14sq以上
- 定格1500Wインバーターは38sq以上
- 定格2000Wインバータは60sq以上
- 定格3000Wインバータは100sq以上
- インバータのオン・オフ用のリモートスイッチ付きが便利です